敬老の日に向けて、毎年、1階のエントランスホールの飾り棚に近隣の花屋さん「花粧」さんが花を生けてくれる。これがいつも立派な花で両脇の胡蝶蘭と共に豪華な雰囲気を醸し出している。今年はこの飾り棚をちょっと工夫してみた。茶系の壁を白にする。モダンなイメージにして、そこに名画の複製画を三つ置いた。

ルネ・マグリット「大家族」を真ん中に、左にはシャガール「ヴァンスの恋人たち」、右にはパウル・クレー「冒険の船」を配置してみた。この三つを選んだ理由は別にないけれど、強いて言えば施設のイメージを大家族で表現し、恋人たちの温かさは介護のイメージ、そしていつまでも冒険心を忘れない先駆的な試みを冒険の船で象徴してみた。たくさんの人が生活している老人の施設であるが、究極的には家族のようなつながりがほしい。介護の現場の温かさは突き詰めれば恋人とのやさしさと温かさと愛情のようであってほしい。そして、仕事の上ではいつも冒険心を忘れずに新しい課題に挑戦していきたい。この冒険心こそがサービスの質を確実に上げていく原動力だと思っている。冒険を忘れてしまった現場ではサービスの質は停滞してしまう。その意味ではこの三点の絵は、今の弘済院第1特養という施設の特徴を的確に表現しているなんて強引に考えることもできる。

夜には星空の中に絵画と生け花が包まれるファンタジックなイメージも楽しみたい。そのためにはコストコで購入した二つのツリーライトも一役買ってくれるかもしれない。敬老の日のお祝いに施設できるささやかなアートなプレゼントと思ってほしい。